示談書を取り交わした後に損害賠償請求が認められました | 交通事故|福岡で弁護士に相談をするならたくみ法律事務所へ

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示談書を取り交わした後に損害賠償請求が認められました

弁護士 桑原淳

 弁護士の桑原です。


 交通事故で受傷した場合、通常、①治療→②治癒or症状固定→(③後遺障害の認定※)→④示談という経過を辿ります。※後遺症が残った場合。


 ④示談とは、交通事故で受けた損害(治療費、休業損害慰謝料等)について、補償を受け取る代わりに、以後、加害者に対して金銭請求をしないという合意を意味します。


 そのため、一旦事故の相手方と示談をしてしまうと、原則として、事故の相手方に対してそれ以上の請求はできなくなります(したがって、相手方から示談金の提示があった場合、すぐに示談書にサインするのではなく、自分の損害がきちんと補償されているのか、よくよく検証する必要があります。)。


 今回は、事故当初、打撲と診断されたため、大きな後遺症も残ることなく完治するだろうと考えていた被害者が、①治療段階で相手方とわずかな金額で示談してしまったところ、その後、示談当時は予想もしていなかった後遺症が残り、最終的に併合8級という後遺障害が認定された方についてお話いたします。


今回のケースと当事務所の対応

書類

 この方の場合、併合8級という後遺障害が残りましたが、相手方とは既に示談書を取り交わし済みであったため、原則から言えば、相手方に損害賠償請求をすることができません


 なお、示談書には「以後、裁判上・裁判外を問わず、相手方になんらの請求もしない。」旨の文言が記載されていました。


 しかしながら、被害者は事故のせいで重い後遺症に苦しんでいるのに、相手方から受け取った示談金はわずかなものであり、到底被害回復がなされているとはいえない状況でした。


 そのため、当事務所で受任したうえで、上記示談書の効力は、後遺障害に対する補償を含み、被害者が損害賠償請求権を放棄したものとはいえないと主張して裁判を行いました。


 なお、示談書の効力については、「全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に、小額の賠償金をもって示談がされた場合においては、右示談によって被害者が放棄した損害賠償請求は、示談当時予想していた損害についてのみと解すべきであって、その当時予想できなかった後遺症等については、被害者は、後日その損害の賠償を請求することができる。」との最高裁判例(昭和43年3月15日)があります。


 事故の相手方は、裁判においても、既に示談済みであり被害者からの請求は認められるべきではないと主張していました。


 当事務所にて、被害者が示談書にサインしたときの身体的状況、経済的状況等や示談書取り交わし後の具体的な治療経過等を丹念に主張立証したところ、被害者が取り交わした示談書では、後遺障害に対する補償等について、その請求を放棄したものとはいえないとの判決がなされ、当方の主張が認められました


まとめ

自保ジャーナル

 繰り返しとなりますが、一旦示談をしてしまうと、原則として、示談書で合意した金額以上の補償を求めることはできなくなります


 そのため、安易に示談書を取り交わすことは厳に避けるべきですが、他方で、一旦示談してしまったとしても、示談当時には予想もしていなかった重い後遺症に苦しんでいる場合には、諦めずに闘っていくことが重要だと考えています。


 交通事故の被害でお困りの方は、まずは弁護士に相談することをおすすめいたします。


 また、この事例が、交通事故や保険問題に特化した裁判例の情報誌自動車保険ジャーナル(自保ジャーナル)に掲載されました。


 自保ジャーナルは、これまでの先例を覆す画期的な判例を得た場合など、全国の裁判所における判決の中でも特に注目に値する判決が掲載され、被害者側からすると「勝つのに苦労した」事案の判例と言えます。


 今後も、ご依頼頂いた被害者・そのご家族が少しでも適正な賠償を受けることができるよう、尽力してまいります。

たくみのこだわり一覧

 当事務所で妥協すること無く戦った結果、より良い解決をできた事件のご紹介をいたします。


事件解決へのこだわり一覧

No タイトル
11 示談書を取り交わした後に損害賠償請求が認められました(文責:桑原淳)
10 開業直後の自営業者の休業補償・逸失利益が裁判で認められました(文責:向井智絵)
9 2年半にわたりご依頼いただいていた事件が、無事に示談成立しました(文責:向井智絵)
8 高次脳機能障害を残す交通事故被害者支援-MSWとの協力を通じて(文責:櫻井正弘)
7 適正な慰謝料額へのこだわり(文責:澤戸博樹)
6 休業損害における基礎収入の考え方~正しいのはどっち?~(文責:櫻井正弘)
5 依頼者のこだわりと弁護士としてできること(文責:向井智絵)
4 素因減額―弁護士に依頼することで賠償額が下がることがある?-(文責:向井智絵)
3 膝の傷跡などの醜状痕、諦めるのはまだ早い??(文責:向井智絵)
2 認定に不服!!異議申立て・紛争処理・裁判?
1 1級の裁判が終わりました(文責:桑原淳)

 相手方との交渉は、弁護士の交渉テクニック次第で損害賠償額を大きく左右します。

 当事務所の交渉術の一部をご紹介します。


交渉へのこだわり一覧

No タイトル
10 適正な慰謝料額へのこだわり(文責:澤戸博樹)
9 高次脳機能障害の裁判が終わりました(文責:向井智恵)
9 休業損害における基礎収入の考え方~正しいのはどっち?~(文責:櫻井正弘)
8 示談段階でも裁判基準以上の慰謝料が認められる?(文責:向井智絵)
7 依頼者のこだわりと弁護士としてできること(文責:向井智絵)
6 後遺障害等級12級13号の神経症状でも10年に限定されない?(文責:向井智絵)
5 膝の傷跡などの醜状痕、諦めるのはまだ早い??(文責:向井智絵)
4 より良い解決のために被害者の皆様ができることとは??(文責:向井智絵)
3 等級の認定がないと賠償はゼロ??(文責:向井智絵)
2 交通事故の賠償金、任意交渉(示談)では裁判よりも少額になる?
1 14級は労働能力喪失率5%じゃない!?(文責:向井智絵)

 後遺障害等級が認定されるか否か、より高位の等級が認定されるか否かで賠償額は格段に変わってきます。

 ここでは、当事務所が適切な後遺障害等級を獲得するために行うことを紹介しています。


後遺障害等級認定へのこだわり一覧

No タイトル
20 傷痕の残る被害者の医師面談に同行しました(文責:向井智絵)
19 高次脳機能障害を残す交通事故被害者支援-MSWとの協力を通じて(文責:櫻井正弘)
18 後遺障害の申請のために医師面談に同行しました(文責:向井智絵)
17 福岡の整形外科医師との意見交換~後遺障害診断書作成について(文責:櫻井正弘)
16 治療期間に2ヵ月の空白期間があった方の後遺障害の異議申立てが通りました(文責:神田昂一)
15 右足の疼痛などの後遺障害の異議申立てが通りました(文責:神田昂一)
14 労災の申請手続に同行しました(文責:神田昂一)
13 後遺障害診断書の作成のサポートをしています(文責:向井智絵)
12 自賠責保険と裁判所における醜状痕(傷跡)の評価の違い(文責:桑原淳)
11 後遺障害の異議申立が通りました(文責:向井智絵)
10 後遺障害の異議申立てに対する取り組み(文責:桑原淳)
9 カルテは基本的に必ず確認する(文責:桑原淳)
8 キズ痕の治療と治療終了時期・症状固定時期(文責:向井智絵)
7 画像所見の得られない高次脳機能障害(文責:桑原淳)
6 医師の診断は絶対??―心配なら早期にセカンドオピニオンを―(文責:向井智絵)
5 高次脳機能障害で異議申し立てが認められました(文責:向井智絵)
4 後遺障害等級認定の異議申立てが通りました!(文責:桑原淳)
3 後遺障害認定のための病院同行の重要性(文責:桑原淳)
2 認定に不服!!異議申立て・紛争処理・裁判?
1 初診時の診断書まで確認し、修正をお願いしています!(文責:壹岐晋大)

 交通事故における損害賠償請求を適切に行うには、弁護士に充分な医学知識がなければなりません。

 当事務所所属の弁護士が有する医学知識の一端をご紹介します。


医学知識へのこだわり

No タイトル
3 CRPS(複合性局所疼痛症候群)認定の注意点(文責:桑原淳)
2 後遺障害認定のための病院同行の重要性(文責:桑原淳)
1 医学知識がなければきちんとした弁護ができません!(文責:桑原淳)

 事故態様によって概ねの過失割合は基準化されていますが、事件に応じた個別具体的な過失の検証が必要です。

 適切な過失割合の決定のために当事務所が行動した内容を紹介しています。


過失割合へのこだわり一覧

No タイトル
5 過失割合を争うにあたっての弁護士の活動(文責:神田昂一)
4 加害者の過失を明らかにする防犯カメラ映像の入手(文責:櫻井正弘)
3 依頼者のこだわりと弁護士としてできること(文責:向井智絵)
2 タイヤの摩耗は過失割合にどう影響するのか(文責:壹岐晋大)
1 交通事故の現場に確認に行きました(文責:壹岐晋大)

 交通事故に遭った被害者の方は生活全般に大きな影響を受け、これからどうすればよいのかも何もわからない状態に陥ります。

 以下は当事務所が実施している、保険や公的支援、刑事裁判への参加等、交通事故にまつわる手続きへのトータルサポートのご紹介です。


トータルサポートへのこだわり一覧

No タイトル
9 高次脳機能障害を残す交通事故被害者支援-MSWとの協力を通じて(文責:櫻井正弘)
8 労災の申請手続に同行しました(文責:神田昂一)
7 医療ソーシャルワーカーとの交流(文責:櫻井正弘)
6 弁護士依頼後の解決までの流れ(文責:桑原淳)
5 弁護士への相談は敷居が高い?(文責:神田昂一)
4 死亡事件の裁判が終わりました(文責:向井智絵)
3 1級の裁判が終わりました(文責:桑原淳)
2 交通事故にあった場合、どのような制度が利用できますか?
1 交通事故加害者の処罰-被害者参加で思いは伝わるか?

 交通事故賠償では、様々な実務的知識が存在しています。

 ここでは、被害者の方にご紹介したい統計や手続き等を説明しています。


交通事故賠償実務へのこだわり一覧

No タイトル
8 裁判をすることでスムーズに解決できることもあります(文責:向井智恵)
7 交通事故の治療の終了を決めるのは保険会社?(文責:桑原淳)
6 素因減額―弁護士に依頼することで賠償額が下がることがある?-(文責:向井智絵)
5 裁判は時間がかかる?
4 認定に不服!!異議申立て・紛争処理・裁判?
3 交通事故死者数の減少と高齢者割合の増加(文責:壹岐晋大)
2 交通事故紛争処理センターは利用した方が良いのか?
1 異議申立ての成功率は5%!!(文責:桑原淳)

当事務所のご紹介

動画でわかるたくみのこだわり


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