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高次脳機能障害で1級認定の被害者が裁判により1億6,000万円の補償を受けた事案

1.事故発生

 福岡県在住の70代の女性の方が、道路を横断中に車に轢かれ、意識障害を伴う外傷性くも膜下出血、脳挫傷、びまん性軸索損傷等の怪我を負いました。


2.相談・依頼のきっかけ

 事故から約10日後、被害者の長男が当事務所へ相談に来られました。


 事故間もない事もあり、加害者への処罰感情が強く、被害者としてどのような手続きがとれるのか知りたいということでした。また、事故後の保険会社との対応についても任せたいとのご相談をお受けいたしました。


3.当事務所の活動

 事故直後から当事務所が関与することとなったため、当事務所の活動は多岐にわたりますが、当事務所が行った活動は、大きく分けますと、


  1. 刑事事件への関与(被害者参加)
  2. 症状固定までの保険会社との交渉や取組み
  3. 後遺障害の認定に向けた活動

といったものが挙げられます。


①刑事事件への関与

 今回の事故は、見通しの良い直線道路における事故であること(加害者の運転者としての基本的な注意義務違反に起因する事故)や被害結果が重大であることから、加害者は、起訴され、刑事裁判を受けることとなりました。


 被害者のご家族は、刑事事件に関与することを希望していたため、当事務所は、被害者委託弁護士として、被害者のご主人・長男とともに、被害者参加をすることにしました。被害者参加人として、何を行うのかを事前に検察官と打合せを行い、その結果、情状証人(加害者の配偶者)に対する質問、被告人に対する質問、心情に関する意見陳述、そして、被害者論告を行うこととしました。


 また、検察官に対して、被害者の負った怪我の重さを立証してもらうために、後遺障害に関する診断書等の資料を証拠提出してもらうようお願いしました。


 第1回刑事裁判では、情状証人(加害者の配偶者)に対して弁護士から質問を行い、また、被告人に対してもご家族と弁護士から質問を行い、さらに被害者の長男から、心情に関する意見陳述として、被害の大きさや加害者の不誠実な態度について率直な意見を述べてもらいました。


 その後、弁護士から、刑事裁判の審理の内容を踏まえて、加害者を実刑に処してほしい旨の求刑意見を述べました。ここで刑事裁判の審理は終了し、次回、判決が言い渡される予定となりました。


 もっとも、第1回刑事裁判の終了後、被害者のご主人から、今回の刑事裁判における被告人の態度を見て、どうしても一言いいたいとご相談がありました。そのため、第2回の刑事裁判にて、裁判官へ、審理を再開してほしいと意見を述べ、これを認めてもらい、被害者のご主人からも心情に関する意見陳述を行って頂きました。


 以上の審理を経て、加害者への判決が下されましたが、内容としては、執行猶予判決となりました。


予想したとおりの判決でしたが、実刑を望むご家族にとっては、落胆の大きい判決になってしまったと思います。


②症状固定までの保険会社との交渉や取組み

 さて、事故における民事的対応については、事故後間もなくの受任であったことから、症状固定に至るまでの間にも、保険会社とのやりとりが必要でした。


それは、入院諸雑費や付添交通費、休業損害の内払交渉です。


 毎月、付添交通費や休業損害に関する資料をとりまとめ、保険会社へ内払いの手続きをとりました。


これらの費用は、示談あるいは訴訟時にまとめて請求しても良いのですが、ご家族にも生活があり、いつ解決するのか分からないものをずっと立て替えておくということは、交通事故被害者にとっては、あまりにも理不尽なものとなります。


 そのため、当事務所では、内払いの手続き・交渉も積極的に行っております。


③後遺障害の認定に向けた活動

 次に後遺障害の認定に向けた活動です。


当事務所では、事故直後からご依頼を頂いていたため、治療途中に治療先の医療機関を訪問し、被害者ご本人にお会いするとともに、主治医、担当看護師、理学療法士及び言語聴覚士の方々とも面談を行わさせて頂きました。


 その後も、介護保険の認定調査の立ち合いに同席するなど、全般的なフォロー活動を行いました。


間もなく症状固定時期という頃に、弁護士間での打合せを行い、後遺障害1級又は2級の認定可能性があったことから、1級の認定を得るべく、立証資料の確認を行いました


 再度、治療先の医療機関を訪問し、主治医、担当看護師及び理学療法士の方々と面談を行い、後遺障害に関する医証(後遺障害診断書、神経系統の障害に関する医学的意見等)の準備を行いました。


 また、ご家族からも、改めて事故前と事故後の被害者の状況について詳細な聞き取りを行い、報告書として取りまとめを行いました。 これらの書類をもって後遺障害の申請を行いました。。


4.当事務所が関与した結果

 後遺障害の申請の結果、「常時介護を要するもの」として1級の後遺障害として認められました


 当該等級を前提に、損害賠償の請求を進めていくこととなりますが、当事務所では、示談による解決では十分な賠償金は得られないであろうと考え、訴訟提起していくことで被害者のご家族とお話をいたしました。


 訴訟を行うにあたり、将来の介護費用や過失割合について争われることが予想されたため、介護施設を訪問して、自宅介護の可否や介護体制について事前に検討を行うとともに、事故現場にも出向き、相手の主張に対して反論できるだけの証拠を確保するように努めました。


 訴訟においては、予想どおり、将来の介護費用や過失割合などが争点となりました。


 事前に準備していた資料の提出や主治医に対する書面尋問などを経て、裁判所から以下のとおりの和解提案があり、裁判所の提案どおり、和解が成立しました。和解金の総額は、ご家族固有の慰謝料を含めて約1億2,000万円となりました(1級の自賠責保険金4,000万円とあわせると、約1億6,000万円)。


主な損害項目

 費目  被告主張の額  和解案の額
入院付点費  71,500円  1,228,500円
休業損害  1,498,283円  2,105,643円
傷害慰謝料  2,920,000円  3,800,000円
逸失利益  13,594,015円  19,104,628円
後遺障害慰謝料  28,000,000円  28,000,000円
将来介護費  57,375,047円  78,451,214円
介護雑費  0円  5,156,737円
介護福祉器具購入費  0円  764,657円
自宅改造費  0円  1,289,841円
成年後見人報酬  0円  4,350,600円
損害小計  116,540,718円  163,369,693円
過失割合  20%  0%
近親者慰謝料  0円  6,000,000円

5.弁護士 宮田 卓弥の所感(解決のポイント)

弁護士 宮田 卓弥  今回は、事故直後からご依頼をお受けさせて頂いたため、単に金額の交渉をするだけに止まらず、刑事裁判への関与や後遺障害の立証など、様々なフォローを行うことができました。

 最終的には、介護を行っていくのに十分な金額も得られ(もちろん、被害者及びご家族にとっては金額だけで納得できるものではありませんが。)、正当な補償を受けることができたと思われます。


6.お客様の声

1.当事務所へご相談いただいたきっかけを教えてください。

 宮田さんの人柄が良かったので


2.当事務所のサービスや接客についてのご感想をお聞かせ下さい。

 いろいろ親切にしていただいてありがとうございます。


お客様アンケート(交通事故)
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2015.4.16掲載


7.お客様インタビュー

 今回、被害者のご子息にインタビューを行いました。


――無事、解決に至りましたが、今のお気持ちをお聞かせください。

 今後の介護の費用は、弁護士が頑張ってくれて、自宅介護の分まで認めてくれた。


 ネットで調べたりしたけど、とてもじゃないけど自分たちでは解決出来ないし、弁護士の力がありがたかったです。本当にありがとうございます。


 ただ、刑事事件の際でも、加害者の反省がないのが残念です。せめて母のところに一回でも見に来てくれれば…、それが悔しい。


 加害者は時が過ぎれば被害者のことを忘れてしまう。けど、自分たちはずっと介護が続くので…。


――そうですよね。今回、加害者の反省がないということで裁判所が慰謝料を増額してくれましたが、それで満足するわけではありませんよね。

 ただ、それでも私たちが直接加害者にぶつけることが出来ないのを、弁護士が主張してくれて、それを裁判所が認めてくれた点はよかったです。


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