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交通事故の損害賠償と障害補償年金支給停止の関係

Q.

 通勤時の交通事故で後遺障害が残りました。

 労災から障害補償年金を受けていたのですが、加害者から賠償を受けたところ障害補償年金支給停止通知がきました。

 なぜですか?


A.

労災の障害補償年金は、後遺障害等級7級以上の後遺障害が残ったため、得られなくなった将来の収入を填補するために存在します。


そして、交通事故の損害賠償請求で認められる逸失利益も、同様の理由で存在します。


【交通事故Q&A】死亡事故における遺族年金支給停止でもご紹介しましたが、同一の理由で支払われる保険金・賠償金は、二重に取得することができない(損益相殺)とされていますので、障害補償年金についても労働者災害補償保険法12条の4第2項において支給停止が法定されています。


具体例で支給停止についてご説明すると、以下のようになります。


基礎収入が年365万円(日額1万円)の方(35歳)が、労災・自賠責共に5級の後遺障害認定を受けた場合、労災からの障害補償年金額及び加害者に賠償請求できる逸失利益額は以下のとおりになります。


□障害補償年金:年額184万円を死亡まで支給

□逸失利益  :4556万7086円を一括支払


このケースで被害者が加害者より逸失利益の賠償を受けた場合、損益相殺を徹底するのであれば4556万7086円÷184万円≒25年間に渡って障害補償年金の支給が停止されるとも思われます。


しかし、それでは長期間の支給停止となり、被害者保護という障害補償年金の制度趣旨に反するとして、厚労省の通達(平成17年2月1日基発第0201009号「第三者行為災害事務取扱手引の改正について」)により、事故日から3年間の支給停止に留めるとされているのです。


このため、事故後4年目からは障害補償年金と逸失利益が二重払いのような状態になります


もっとも7級以上という重度後遺障害を残した方の今後の生活を考えると、社会保障の一環として結論は十分是認できると思われます。


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