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過失割合を争うにあたっての弁護士の活動

 被害者の方からお聞きした事故態様と、加害者及び相手方保険会社の言い分が異なり、過失割合が争点となることが予想される場合、一般的には、次のような活動を行います。


  ①被害者の方からの事故状況の聴取

  ②グーグルアース等による事故現場の確認

  ③判例タイムズにおける類型の確認

  ④車の損傷状況の確認

  ⑤ドライブレコーダーや防犯カメラの映像取得

  ⑥実況見分調書の取寄せ・確認

  ⑦現地調査

  ⑧類似裁判例の調査

  ⑨調査会社の活用

 ※活動の順序は事案によって異なります。


弁護士神田昂一

 それぞれの事故の事情や現場の状況、争いの内容によって、どの活動を行うかは事案によって異なりますが、被害者の方の言い分や思いを実現するために、最善を尽くしています


 特に、重大なお怪我を負われた方にとっては、過失割合が10パーセント変わるだけで、最終的な獲得金額は、数百万円以上の差が生じてくることもあるので、過失割合を争うことは極めて重要になります。


 さて、先日、私が担当した交通事故の案件について、過失割合が争いになったため、以下の活動を行いました。


 相談時、相手方保険会社からは、過失割合について、すでに判例タイムズ(今までの裁判例をもとに事故類型ごとの過失割合をまとめた書籍になります。)の基本割合どおりの意見が出されていました。


 この方は、特に無茶な主張をしているのでも何でもなく、素朴な疑問として、なぜ自分の過失割合が保険会社の言うものになるのか、理解できないというお気持ちでした。


 仰っていたのは、「自分も動いていた以上、過失が0とはいえないのかもしれない。ただ、それでは自分はどうすれば良かったのか」ということでした。


 そこで、私は、①被害者の方からさらに詳しく現場や事故の状況を聞き取った後、具体的に、どの点に納得がいっていないのかを共有したうえで、②グーグルアースやストリートビューで現場を確認し、④依頼者の方からいただいたお車の損傷状況の写真を見て、確かに被害者の方が納得できないのももっともだと思いました。


 なお、この事案では、⑤ドライブレコーダーや防犯カメラはなく、また、⑥警察も、実況見分調書を作成しておらず、簡易な内容の物件事故報告書を作成していたのみでした。


 また、⑨衝突時の速度や入力角度、路面状況等が問題になっているわけでもなく、特に調査会社の活用に適する事情もありませでした


 まずは、⑧類似裁判例を調査して、それをもとに本件交通事の過失割合に関する意見書を作成のうえ、相手方保険会社と交渉を行いました


 しかし、相手方は、「本件と裁判例とでは事案が異なる」の一点張りで、基本割合からの修正を認めようとしませんでした。


 そこで、⑦実際に、事故現場を訪れて、道路状況を確認し、写真撮影や幅員の測定を行いました


 そのうえで、道路の幅・長さ、カーブミラーの位置、障害物の高さ等、現地調査の結果をもとに具体的な主張を行い、結果的には、判例タイムズの基本割合をこちらに有利に修正した内容で示談をまとめることができました


 事件の解決後には、依頼者の方から、大変嬉しい内容のアンケートをいただきました。


 過失割合が争いになる場合、当然ながら、やるべきことできることは、事案ごとに異なります。


 もちろん、調査の結果、過失割合が修正されないこともあるかもしれません。


 しかし、最も大事なのは、被害者の方のお気持ち、特に「納得いかない点は何か」を弁護士が理解・共有し、その実現のために活動することだと思います


 交通事故において、感情的な争いが生じやすいことは確かですが、被害者の方のお話をよくお聞きしてみると、どこか核となる事実があるはずであり、それを理解することができれば、自然とやるべきことは見えてくると思います。


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