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後部座席でシートベルトを着用していない場合の過失相殺

 弁護士の櫻井です。

 西日本新聞には、「ほう!な話」という福岡県弁護士会が執筆する法律コラムが週一回掲載されているのですが、6/21分のコラムは私が執筆いたしました。

 テーマは、「後部座席でシートベルトを着用していない場合の過失相殺」についてです。

 500字程度のコラムですので、なかなか詳しいことを書くのが難しいところでした。

 ですので、本稿ではもう少し詳細にこの問題について解説したいと思います。

過失相殺とは

 簡単にいうと、損害の発生・拡大について被害者と加害者双方に過失があった場合、被害者の過失部分は相手方に請求できないという法理論です。

後部座席シートベルトに関する統計

シートベルト

 平成28年に警察庁が全国でシートベルト着用率について調査したところ、運転席・助手席での着用率が95%だったのに対し、後部座席では36%(一般道)しかありませんでした。

 また、平成28年の1年間で、後部座席乗車中に事故に遭い死亡したのは152人でしたが、うち105人はシートベルトを未着用でした。

 後部座席での死亡者の実に70%がベルト未着用だったことになります。

社会情勢の変化

自動車

 2008年に後部座席シートベルト着用義務化されてもなお、未着用率が相当に高いこと、事故時に大きな被害が出る危険性が統計上明らかであることから、国土交通省は2020年9月以降に発売する自動車に対し、ある装備の装着を義務化することを決めました。

 その装備とは、後部座席でシートベルトを着用せずに走行すると警告灯と警告音が鳴るという「シートベルトリマインダー」です。

 現時点においても、運転席(既に義務化)・助手席(2020年に同時義務化)では割合メジャーな装備ですが、後部座席では一部メーカーのみの装備でした。

 このように、今後は後部座席でのシートベルト未着用が例外的になってくることが予想されます。

 そのような社会情勢下で敢えてシートベルト未着用だった場合、大きく過失を取られる可能性が高くなるかもしれません。

裁判例の変化

 以前から当事務所のコラムでも、後部座席シートベルト未着用の過失相殺について言及した裁判例の紹介をしてきました。

 更に最近の裁判例も調べてみたのですが、次のようなものがありました。

  • タクシーの後部座席乗車中、急ブレーキで頚椎捻挫を負った被害者に1割の過失を認めたもの(平成27年10月28日名古屋地裁判決)
  • タクシーの後部座席乗車中、自損事故で鼻骨骨折や頚椎捻挫を負った被害者に5%の過失を認めたもの(平成27年9月8日神戸地裁判決)

 裁判所も、シートベルト着用の場合より不着用の場合のほうが、より怪我も重くなる(だろう)という考えを持っているようで、多くの裁判例であっさりと過失を認めている傾向にあります。

 ちなみに、かなり毛色は違いますが、

  • 追突事故で後部座席に乗っていた犬が前に投げ出され負傷したとき、犬用シートベルトを付けるべき義務があったとして、原告である飼い主に1割の過失を認めたもの(平成27年8月25日大阪地裁判決)

 といったものもありました。

まとめ

弁護士櫻井正弘

 我々が担当した事件の中で、後部座席シートベルト未着用により大怪我をした挙句、相手方から過失相殺の主張をされた方が複数いらっしゃいます。

 タクシーにのるとき、「シートベルトをお締めください」という音声が流れるようになって久しいですが、それに応じてきちんとシートベルトをしている方はどれほどいらっしゃるでしょうか。

 是非、今後はシートベルトを締め、安全にドライブを楽しんでください。

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