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「魔の7歳」を知っていますか?
はじめに
新年度がスタートしてはやくも1か月が経ちました。
ゴールデンウィークも終わり、学校生活が再開しますが、この時期気をつけたいのは子どもの交通事故、とりわけ気をつけるべきなのが「魔の7歳」です。
魔の7歳とは
小学1,2年生は行動範囲が広がることから、交通事故に遭いやすい「魔の7歳」と呼ばれています。
警視庁が発表している令和2年から令和6年の交通事故死傷者数の状態別合計において、歩行中では7歳が最も多くなっています。
7歳の事故が多い理由
7歳が歩行中に交通事故に遭いやすい主な理由として、以下4点が挙げられます。
- 入学直後であること
- こどもの視野
- 身長が低い
- 性格的特徴
小学生になるとこどもだけで登下校をし、下校後は一人で遊びに出かける機会が増え、幼稚園、保育園の時に比べて行動範囲がぐっと広がります。
こどもの歩行中の交通事故の多くが平日の日中に発生しており、歩行中の事故の通行目的別では、「下校」が最も多く、次いで「遊戯」での事故が多くなっています。
大人の視野は約150度ですが、それに対しこどもの視野は約90度と、大人の2/3程しかありません。
大人であれば視界の端で自動車をとらえていたとしても、こどもには接近してくる自動車が見えていないこともあります。
小学校1年生の平均身長は120cm程であり、自動車のドアミラーと同じくらいの高さです。
そのため、自動車の影にすっぽりと隠れてしまい、ドライバーの視界に入りづらいという点も事故に遭う理由の1つです。
車で轢いてしまってから初めてこどもの存在に気がつくようなケースもあるそうです。
こどもの性格的特徴として、自分の興味のある面白いものを見つけると、それしか目に入らなくなり、衝動的に動いてしまうことが挙げられます。
なにかに夢中になるとまわりへの注意が不足し、安全を確かめることなく道路に飛び出してしまうこともあります。
なお、男児の交通事故死傷者数は女児の約2倍にのぼっており、これは外遊びの機会が多く、好奇心旺盛な性格が影響していると言われています。
福岡県内の傾向
福岡県内の過去5年間の年齢別の交通事故は、7歳児が最多で、次いで8歳児が多くなっています。
昨年(令和6年)の歩行中に発生した交通事故では、小学1年生が45人と全体の約2割を占め最多となっています。
また、令和5年は5月が、令和6年は6月の交通事故発生件数が1番多く、入学シーズンから少し落ち着き、油断が生まれる今からの時期が最も注意が必要であると言えます。
さいごに
こどもは、道路上の危強についての知識が未熟です。
事故の危険性について、そこまで実感できていない子も中にはいるかもしれません。
こどものいる家庭では、道路横断時には「止まって、見て、手をあげるなど合図 を出して、待って」渡ることを習慣付けるなど、交通ルールを繰り返し教えたり、家の周りの危ない道路をこどもの目線で一緒に確認したりしましょう。
また、交通社会の先輩として、我々大人がこどものお手本となるべく、交通ルールを守ることも大切です。
こどもは大人のことをよく見ています。
日々、我々大人が交通ルールを守って行動することが、将来の大きな事故を防ぐかもしれません。
悲しい事故を避けるため、社会全体でこどもの安全を守っていきましょう。
【参考】
- 警察庁「令和7年春の全国交通安全運動の実施について
- 交通事故総合分析センター「ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポート No.116
- 福岡県警察「歩行者の交通安全編」
- 福岡県警察「令和6年こども関連交通事故発生状況」