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Q.外国人の基礎収入

A

 外国人が、日本国内で交通事故の被害にあった場合、法の適用に関する通則法17条により、原則として日本の民法における不法行為法が適用されることになります。

 もっとも、外国人が交通事故により死亡した場合には、被害者の本国方が準拠法となる点には注意が必要です。

 しかし、日本の民法が適用されるとしても、それが直ちに日本人と同額の損害賠償請求が認められるわけではありません。具体的には、基礎収入の点で争いになることが多くあります。つまり、基礎収入を日本の賃金基準でするのか、本国の賃金基準とするのかという判断です。

 外国人といえどもひとくくりには判断できず、永住資格者や一時滞在中などによりその判断は異なります。

 永住者はその名のとおり、日本に永住する資格を有しているので、日本人と同様の基準で算定すべきことに争いはありません。

 しかし、一時滞在者の場合は、滞在可能期間については日本国賃金基準で計算し、滞在期間経過後は被害者の本国賃金基準で計算することになります。

 最高裁平成9年1月28日判決においても、短期在留資格で来日したのち、不法残留し日本で稼働していたパキスタン国籍の男性について、「予測される我が国での就労可能期間ないし滞在可能期間内は我が国での収入を基礎とし、その後は想定される出国先での収入等を基礎として逸失利益を算定するのが合理的」とし、42年間分の後遺障害逸失利益のうち、3年間は日本国賃金基準で算定し、その後39年間分はパキスタン賃金基準で算定しています。

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