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後遺障害の認定に不服!!異議申立て・紛争処理・裁判?

後遺障害の異議申立が認められ、非該当から14級が認定されました

弁護士野中

またひとつ、交通事故が解決しました。

事件解決後の、依頼者の方からの暖かいお言葉(直接のお電話、手紙やアンケート等)はやはり嬉しいものです。

この依頼者の方は、事故後、後遺障害申請前に受任し、当方にて被害者請求したのですが、後遺障害等級「非該当」の結果通知が来ました。

たしかに、事故後数か月間の病院の通院頻度が極端に低く、認定が難しい要素はありました。

しかし、それでも、症状固定後にも、ときに仕事を休んで通院しなければならないほどの頸部痛・頭痛・めまい・吐き気等の症状が残っており、14級の認定がされておかしくない方だったので、非該当の結果が通知されたときには、私自身も意気消沈しました。

依頼者の方には残念なお知らせをしなくてはならなくなったのですが、実際に結果をお伝えした際には、「先生は良くやってくれています、交通事故に遭った知り合いには絶対に紹介しますよ」と言っていただき、心打たれました。

自賠責の非該当の判断理由

自賠責の非該当の判断理由としては、事故当初の病院の通院頻度が極端に低く、整骨院での施術に充てられていたことと考えられたので、整骨院施術に充てていた理由をより具体的に説明できれば、異議申立てが認められる可能性があると考えました。

また、取り寄せた症状固定後の診断書等からも、症状の残存が明らかに認められましたので、依頼者の方と協議し、まず自賠責への異議申立てに挑戦することにしました。

異議申し立て

診断書の症状、治療内容・経過を丹念に拾い、また、仕事の時間との関係で病院に通院できなかったこと等の理由・根拠資料を具体的に示した上で、異議申立てを行った結果、無事、後遺障害等級14級に変更されました。

その後、14級を前提に加害者側の保険会社と交渉し、先日、裁判基準の賠償額にて解決となりました。

交通事故は通常、生涯に1度か2度くらいで、その記憶はずっと残るでしょうから、少しでも悔いを晴らせる形で解決をしていきたいものです。

つい先日、別の依頼者の方も異議申立てにより非該当から14級に変更されましたので、これから交渉を頑張ります。

後遺障害認定に不服があるときの手段

前回、紛争処理センターのことを書いた際、紛争処理機構について少し触れていましたが、今回も自賠責への異議申立てについて触れたので、この機会に、後遺障害等級認定結果に納得がいかない場合に取りうる手段を、簡単に紹介します。

自賠責保険・共済への異議申立て(再請求)

自賠責保険・共済へ異議申立てをした場合、自賠責の中の上位機関(地区本部等)で書面審査されます。

審査期間は2~3か月程度ですが、それ以上の期間を要する場合も多くあります。

メリットは、何度でも申立てが出来る点です。

ただ、時効完成までに何度も出来る、というのみなので、時効には注意してください(時効期間は、基本的には、症状固定から3年間です)。

また、闇雲に何度も異議申立てをしたからと言って結果が変わるものでは無いので、あらたに説得力のある資料を揃える必要があります

損保料率機構の公表データによれば、平成25年度における異議申立てが認められたのは、全体の審査件数1万2000件のうちの588件であるそうです(約5%)。

紛争処理機構への異議申立て(調停申請)

紛争処理機構とは、正式には「一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構」と言い、自動車損害賠償保障法上の指定紛争処理機関です。

自賠責の保険金・共済金に関して生じる紛争に関し、弁護士、医師等で構成する紛争処理委員会にて審査されることになります。

その紛争とは、大まかに分けると、保険金支払責任や過失割合(「有無責」・「重過失減額」)と「後遺障害等級認定」です。

したがって、自賠責の後遺障害等級認定に納得いかない場合には、紛争処理(調停)申請をすることができます(申請費用はかかりません)。

自賠責と同じく書面審査です。

審査期間は4か月程度ですが、それ以上の期間を要する場合も多くあります。

メリットは、中立的な機関での慎重な判断を仰げることです。

一方、デメリットとして、自賠責への異議申立てのように何度でも出来るものではないという点が挙げられます。

紛争処理機構への異議申し立ては、申請は一度きりですので、注意が必要です。

平成25年度の後遺障害の紛争処理申請の処理内容としては、799件のうち、59件について自賠責の判断が変更となったそうです(約7%)。

裁判

裁判所は、自賠責や紛争処理機構の判断に拘束されません。

また、杓子定規的な基準に捉われずに、柔軟に後遺症を判断し、損害額に反映してくれることがあります。

ただし、通常、自賠責等の判断は尊重されますので、非該当認定等を裁判で覆すには、やはり説得力のある証拠の提出が必要不可欠です。

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