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死亡事故で、裁判することで保険会社提示の賠償金より500万を増額した事例
被害者 | 60代女性(事故当時) / 自営業 |
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傷病名 | 死亡 |
活動のポイント | 保険会社との交渉、裁判 |
サポート結果 | 保険会社の提示した賠償金より500万円増額 |
主な損害項目 | 金額 |
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逸失利益 | 2,158万円 |
死亡慰謝料 | 2,500万円(遺族固有の慰謝料含む) |
葬儀費 | 130万円 |
調整金 | 600万円 |
過失 | 5% |
最終支払額 | 5,200万円 |
相談・依頼のきっかけ
当時60代の長崎県在住の女性が、丁字路交差点の直線路を横断中に突き当たり路より後退進行してきた車と衝突しました。
被害者は、救急搬送されたものの、小脳挫傷、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血等により亡くなられました。
今後の相手方との対応等をお願いしたいとのことでご遺族の方がご相談に来られました。
当事務所の活動
ご依頼頂いた後、まず、事故状況の確認のため刑事記録の取付けを行いました。
また、相手の保険会社に対して請求するため、ご遺族の方にご協力いただき、葬儀費用等の確認も同時並行で行いました。
資料の確認や収集が終わった段階で、相手方保険会社と示談交渉を開始しました。
示談交渉段階では、被害者にも過失があったのか否か、適正な慰謝料額はどの程度かといった点が争いになりました。
当事務所が関与した結果
示談交渉における最終回答としては、既払い金を除き約4,700万円の提示でした。
裁判した場合、弁護士費用や遅延損害金も付加されることを考慮し、ご遺族と協議し、示談には応じず、裁判へと移行することにいたしました。
訴訟においては、特に過失割合が争点となり、相手方は被害者にも10%の過失があるとの主張でした。
過去の裁判例の過失割合の基準からすると、被害者に10%の過失がとられそうな事故類型であり、また、本件事故は目撃者もおらず、加害者供述のみに依拠した事故状況しか分からない状況でした。
そこで、当事務所では、事故の際に現場近くで事故の音を聞いた方などからも事情を確認するなどして、反論を行っていきました。
最終的に、裁判所から、過失5%を前提として総額5,200万円での和解案が提示され、和解に応じるか否かご遺族とも悩みましたが、過失以外の損害項目をしっかりと提示してくれていたことなどを考慮し、和解による解決を選択することになりました。
弁護士 桑原淳の所感(解決のポイント)
本件は、事故後の加害者の対応や、刑事裁判における加害者の態度などにつき、誠実さが全く感じられず、非常に遺族の被害感情を害する事案でした。
事故の補償という点では、最終的に金銭での解決とならざるを得ませんが、このような加害者側の不誠実な態度により、事故後の精神的苦痛がより増大する点は、慰謝料として考慮されるべき事情だと考えています。
過失割合については、100%納得できる解決とまではいえませんが、基準よりも有利な過失割合での解決とすることができました。
死亡事故の場合、被害者の供述が得られませんので、過失割合が争いとなった場合に中々難しい状況となりがちですが、加害者の供述のみを鵜呑みにせず、事故現場の客観的な状況などを丹念に調査していくことが大事だと改めて実感しました。