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むちうちで通常よりも高い基準の金額で傷害慰謝料が認められた事例


【被害者】 20代女性 / 佐世保市在住 / アルバイト
【傷病名】 頚椎捻挫、右前頭部打撲、腰椎捻挫、両肩・右膝・右下腿打撲傷
【活動のポイント】 示談交渉
【後遺障害等級】 非該当
【サポート結果】 適切な賠償額の獲得

主な項目 金額
傷害慰謝料 約98万円(赤本別表Ⅰ基準)
休業損害 約4万7000円
最終支払額 100万円

首の怪我・後遺障害の解決事例一覧

相談・依頼のきっかけ

相談風景

 佐世保市在住の20代の女性が、赤信号にて停車し、信号が青に変わったために発進しようとブレーキから足を放した瞬間に、よそ見運転をしていた10トントラックに追突されるという事故に遭いました。

 女性の車は、追突された衝撃で前方のガードレールに勢いよく衝突し、ようやく停車するほどの大きな衝撃を受けた事故でした。

 事故により、被害者の女性は、頚椎捻挫、右前頭部打撲、腰椎捻挫、両肩・右膝・右下腿打撲傷等の診断を受けました。

 女性はその後、1か月ほど通院による治療を続けていましたが、相手方保険会社よりまず物損についての提示があり、増額交渉できないかとのご希望で弊所へお電話にてご相談いただきました。

 お電話相談時には、既に女性自らが保険会社へ物損の増額交渉を行っており、その時点で弁護士が介入することで逆に損をしてしまう可能性がありました

 そこで、物損についてはご自身で交渉を続けていただき、物損示談後にお怪我について弊所にご依頼いただくことになりました。

当事務所の活動

 ご依頼を受けたのが、事故から3か月ほど経過した時期でした。

 お仕事の都合で整形外科にはなかなか通院できず、整骨院中心に通われていました

 しかし、今後の治療方針を決めるうえでも、整形外科へ受診していただく必要があることをアドバイスし、女性のお仕事の都合も考え、しばらくは整形外科と整骨院との併用通院をしていただくことになりました。

 怪我については、肩や腰の痛みに加え、特に首の痛みに関して事故時から一貫して症状を訴え続けていました。

 事故より半年が経過した時点でも、首に関しては常に痛みがあるということで、後遺障害の申請を希望されていました。

 そこで事故後6か月の時点で症状固定となり、自賠責調査事務所へ後遺障害の申請を行いました。

 前述したように、10トントラックと衝突するという非常に衝撃の大きな事故であったため、全損した女性のお車の写真・資料を後遺障害の申請書類に添付し、その被害の大きさを補強する根拠資料として提出しました。

当事務所が関与した結果

 遺障害申請の結果、残念ながら、頚椎捻挫後の両肩背部のこわばりや痛みについては非該当という結果になりました。

 被害者と話し合いの結果、今回は異議申立てはしないという方針となったため、非該当の結果をもとに、相手方保険会社との示談交渉へと進みました。

 女性の怪我はむちうちが中心であったため、傷害慰謝料の算定にあたっては、通常、むちうちがベースの計算式(赤本別表Ⅱ)を用いて算定されます。

 しかし、非常に衝撃の大きな事故であったこと、また女性が事故時から一貫して首の痛みを訴えていたことから、弊所はむちうち以上がベースとなる計算式(赤本別表Ⅰ)を用いて傷害慰謝料を算定し、相手方保険会社へと請求を行いました。

 当然、相手方はむちうち以上の計算式での算定について指摘をしてきましたが、粘り強い交渉の結果、赤本別表Ⅰ基準での傷害慰謝料が認められました。

 裁判をした場合に予想される金額も上回り、最終的に100万円での示談となりました。

弁護士の所感(解決のポイント)

 むちうち症状の場合、弁護士基準の慰謝料を採用するとしても、通常よりやや低額の基準(赤本別表Ⅱ)が使われることが一般的です。

 本件も、当初は別表Ⅱを基準に相手方へ請求しようと考えましたが、トラックに追突され車両の損傷が激しく、事故当時女性が相当な恐怖を感じたであろうことや、事故にあった車は購入から間もなかったことなどを考慮し、相手方に慰謝料の通常基準(赤本別表Ⅰ)での解決を求め、相手もそれに応じる結果となりました。

 このように、慰謝料の基準はあくまで目安であり、事案によっては通常より増額して請求することもあります

 今回の件は、一つ間違えば女性が重傷を負っていたかもしれないほどの事故の大きさが、慰謝料増額の大きなポイントとなったと思います。

2021.5.7掲載

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